2017-06-19 きみのそばに その5 洗い物をしていると、恵子が僕を呼んだ。 「お兄ちゃん、こっちきて」 「どうした?」 「となりにきて」 「あとちょっとで終わるから」 僕が戻ると恵子はテレビの前に座っていた。 「おお、スマブラやってるのか」 「うん、お兄ちゃんとやりたくなったから」 「いいよ、一緒にやろう」 それから10分後。 「もうお兄ちゃん強すぎ!カービィ使わないで」 「しょうがないな」 「あーん、やっぱ勝てないよ」 「恵子、こうしてると懐かしいな」 「このままずっと一緒にいたい」 僕は何も答えられず、換気扇の回る音を聞いていた。