きみのそばに その5

洗い物をしていると、恵子が僕を呼んだ。

「お兄ちゃん、こっちきて」

「どうした?」

「となりにきて」

「あとちょっとで終わるから」

 

僕が戻ると恵子はテレビの前に座っていた。

「おお、スマブラやってるのか」

「うん、お兄ちゃんとやりたくなったから」

「いいよ、一緒にやろう」

 

それから10分後。

「もうお兄ちゃん強すぎ!カービィ使わないで」

「しょうがないな」

「あーん、やっぱ勝てないよ」

「恵子、こうしてると懐かしいな」

「このままずっと一緒にいたい」

僕は何も答えられず、換気扇の回る音を聞いていた。