きみのそばに その6
恵子と一緒におばあちゃんの家に来た。
「アイス食べるかい?」
おばあちゃんは小さな子どもに言うようにそう言った。
大きくなった今でもこうして昔と変わらずに優しく接してくれるのがとても嬉しい。
「「うん!」」
僕と恵子はハモった。
お互い顔を見合わせて笑う。
「おや、きらしてるね」
おばあちゃんは僕らにガマ口の財布を渡して買ってくるように言った。
スーパーでお目当ての練乳あずきかき氷を見つけた。
財布を開けると、小指の爪より小さなだるまのお守りが出てきた。
「あ!こんぴらさん」
恵子が見つけてそう言った。
「懐かしいな。おじいちゃんが生きてた時に皆で行ったよな」
おばあちゃん家に帰ると三人でかき氷を食べた。縁側に座って風鈴の音を聞いていると、時間がゆっくり流れていくのがわかる。
入道雲が向こうの屋根から顔を出していた。
おばあちゃんがアルバムを出してくると、金比羅山での集合写真があった。
おじいちゃんもおばあちゃんも恵子も僕も笑顔で映っている。
「あんたたち、大人より先を走ってってお宮さんに着くまで元気だったんだよ」
そう言っておばあちゃんは笑った。